
近年テレビや新聞などで取り上げられることが多くなってきたものに、「災害」があります。災害用の備蓄品として真っ先に思い浮かぶのは、飲料水・食料品・簡易トイレなどでしょう。他にも大事なものはたくさんありますが、皆さんが普段飲んでいる医薬品も災害時には非常に重要なものになります。
災害が発生して避難所で生活しなければならなくなった場合、避難所は自宅とは異なり過酷な環境となります。多くの避難所はホテルではないので、そもそも宿泊機能が備わっていません。そして暫くの間は食事やトイレ、寝る場所など、衣食住に関わるものが満足に提供されず、肉体的・精神的なストレスにさらされます。このような避難所生活が長期間に及ぶ可能性があるのです。こんな状況下で「いつものお薬」をいつも通りに飲めないと、思わぬ体調不良を引き起こし、最悪のケースでは災害関連死につながる可能性も考えられます。その為に災害時の持ち出しバッグには、「いつものお薬(3~7日分)」と「お薬手帳」を忘れずに入れて頂きたいと思います。何日分を備蓄するかについては、かかりつけの医師または薬剤師に相談しましょう。
持ち出しバッグにお薬を入れておく為には、「いつものお薬」を備蓄しなければなりません。そこでローリングストックという方法をご紹介します。ローリングストックとは、普段から少し多めに買い置きしておき、消費期限の古いものから消費し、消費した分を買い足すことで、常に一定量が家庭で備蓄されている状態を保つことです。もとは食料品の備蓄などに活用されている方法ですが、「いつものお薬」にも活用できます。「お薬のローリングストック」は、「いつものお薬」の使用期限を考えて古いものから服用し、お薬が少し残っているうちに受診することで、常に一定量以上のお薬が家庭で備蓄されている状態を保つことができます。
災害用だけでなく、遠方の親族に不幸があった場合にも活用できますし、台風や爆弾低気圧などの悪天候のせいで病院を受診できないという時にも役立つと思います。いざという時の為に取り組んでみてはいかがでしょうか。