医療安全とは
みなさんは、医療安全という言葉を聞いたことはありますか?
医療安全とは、医療が行われる過程において患者さんの安全を確保するための取り組みや仕組み、あるいはそれらを含めた概念をいいます。
例えば、患者誤認を防ぐための本人確認や医薬品が正しく使われるための工夫、さらにはそれらを行うための体制構築なども含まれます。
医療安全における基本的な考え方は、患者さんの立場に立ち、患者さんが安心して医療を受けられる環境を整えることにあります。また、医療者が高精度で効率的な医療を提供するための環境整備も大切です。

医療安全元年
「医療安全」という言葉が広く知られるようになったのは、1999年といわれています。この年には、手術患者さんの取り違え事故や点滴誤使用事件など、医療機関での重大な事故が相次ぎました。そして事故発生後の医療機関の対応のまずさや事故を誘発する体制などが社会問題となり医療不信が大きくなった年でした。これらの事故をきっかけに、医療安全の重要性が社会に広く認識されるようになり、日本の医療が大きく変わるきっかけになった年だったことから、1999年が医療安全元年といわれるようになりました。
医療安全元年を境に、国や医療機関ではさまざまな取り組みが進められました。
医療安全を支える動き
厚生労働省では医療安全対策について次のように述べています。
「医療安全の確保は医療政策における最も重要な課題の一つです。患者の安全を最優先に考え、その実現を目指す態度や考え方としての「安全文化」を醸成し、これを医療現場に定着させていくことが求められています。
医療安全を確保するためには、行政、医療機関、医療関係団体、教育機関や企業、さらに、医療に関係する全ての方が各々の役割に応じて医療安全対策に向けて積極的に取り組むことが必要です。」厚生労働省ホームページ:医療安全対策より
この方針に基づき、
〇医療安全全国共同行動の提唱 〇医療機関内での安全管理体制の強化 〇医療事故調査制度の創設
などが行われています。
また、各医療機関の取り組みとして
〇医療安全管理部門の設置 〇医療従事者への研修実施 〇インシデント・アクシデント報告制度の導入
も進められています。

医療安全を支える公的機関
基本的に医療安全の取り組みは各医療機関が行っていますが、医療安全に関わる情報収集および情報提供、各種統計、相談窓口の設置などは下記の機関により支えられています。
北海道薬剤師会も教育研修の活動を通じて医療安全に取り組んでいます。
医療安全支援センター
都道府県、保健所を設置する市及び特別区により設置されており、医療に関する苦情・ 心配や相談に対応するとともに、医療機関、患者・住民に対して、医療安全に関する助言および情報提供等を行っています。
日本医療機能評価機構
国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的とし、中立的・科学的な第三者機関として医療の質の向上と信頼できる医療の確保に関する事業を行う公益財団法人です。
医療安全には患者さんの協力も必要
医療安全の維持・向上には、医療現場に安全文化を醸成することが重要ですが、そのためには医療者だけではなく患者さんの協力も必要です。例えば、本人確認のために名前を何度も名乗ってもらったり、十分な説明をするために時間を割いてもらったりすることがあります。
良質な医療を安全、確実にお届けするため、ご理解とご協力をお願いいたします。


