ほっかいどう・おくすり情報室

マジックマッシュルーム

マジックマッシュルームとは麻薬成分の「サイロシビン(シロシビン)」「サイロシン(シロシン)」を含む、食べると幻覚を引き起こすきのこの総称(俗称)です。麻薬成分を含有しているにもかかわらず、所持や使用が麻薬及び向精神薬取締法に触れなかったことにより「合法ドラッグ」とも呼ばれ、インターネット販売等で若年層で使用が広がり、これらを摂食、乱用する者が増加しています。マジックマッシュルームが原因と疑われる中毒や事故も報道されており、なかには死亡例もあります。きのこ中の麻薬成分含量は、採集場所や時期により大きく異なりますので安易な摂取は非常に危険です。

規制の対象は麻薬成分「サイロシビン」「サイロシン」含有の有無で判断するため、種の指定は行われていませんが、代表的なきのことして以下のようなものがあります。

シビレタケ属 ヒカゲシビレタケ、アイゾメシバフタケ、オオシビレタケ
ヒカゲタケ属 ワライタケ、センボンサイギョウガサ 等

食べた時の症状等 サイロシビンやサイロシンは中枢神経系に作用し、中枢神経の興奮や麻痺、幻覚を起こします。主な症状は幻覚、酩酊状態、狂乱、発熱などで、食べてから15分~1時間後に現れます。食べた後、2週間から4ヶ月後に、飲酒やストレス、睡眠不足、他の薬剤の服用などによって幻覚などの精神症状が再び現れる「フラッシュバック現象(再燃現象)」が起こることがあります。
法律の改正 麻薬、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令が「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」と改められ、平成14年6月6日以降サイロシビン又はサイロシンを含むきのこ類が麻薬原料植物として規制されます。規制後は、有資格者以外の輸出入、栽培、譲受、譲渡、所持、施用、広告といった行為は法違反になり懲役刑が科せられます。当然、きのこそのものを「観賞用」「栽培セット」等で販売することも刑罰の対象となります。