ほっかいどう・おくすり情報室

カバ(kava)含有サプリメントと肝障害

2002年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は「カバを含有する製品の摂取により肝障害を引き起こす可能性がある」として、消費者への注意喚起を行いました。ドイツ、スイス、イギリスでは肝障害が報告されており、肝移植が行われた例もあります。また、ドイツ、スイス、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリア等でも注意喚起されており、シンガポールでは使用禁止、カナダ、イギリス等では回収措置がとられています。

カバ(別名:カバカバ、カワ、カヴァ等)とは?

南太平洋諸島に自生するコショウ科の植物(学名:Piper methysticum)で、主成分のカバラクトンにより、抗不安作用・鎮静作用・筋弛緩作用などがあるといわれています。味は辛く芳香性の苦味を有し、摂取すると口の中が少し痺れるようです。ミクロネシアでは〝シャカオ〟と呼ばれ、すりつぶして水に混ぜお酒のようなものとして飲まれたり、儀式で神と意思疎通するために使用されているようです。

使用部位は「根」であり、これは「医薬品の範囲に関する基準の改正について」(平成13年3月27日医薬発第243号厚生労働省医薬局長通知)の「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」により、日本では「食品」には使用できません。

サプリメント

〝カバ〟はその作用により、リラクゼーション、不眠、更年期障害、禁煙時のイライラなどにサプリメントとして用いられます。また、大量に服用すると多幸症状態を引き起こすため、催淫剤として用いられることもあります。

日本でもインターネット等の個人輸入により入手可能で、海外では錠剤、カプセル剤、チンキ剤として販売されています。セントジョーンズワート含有サプリメント等の配合成分として扱われることもあるので注意が必要です。〝カバ〟は以下のような英文名称で記載されている可能性があります。

◇ava ◇awa ◇intoxicating pepper ◇kava ◇kava kava ◇kava pepper
◇kava root ◇kawa ◇kew ◇Pipremethysticum ◇rauschpfeffer ◇sakau ◇tonga
◇wurzelstock ◇yangona など