ガルシニアパウダーのラットに対する1年間の長期毒性試験が国立医薬品食品衛生研究所において実施された結果、精巣が萎縮する所見が認められたという中間報告がなされました。
厚生労働省通知
ガルシニアパウダー |
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ガルシニア(Garcinia Cambogia)は、インドなどに自生する常緑樹で、果皮を乾燥したものは酸味付けのスパイスとして利用されています。ガルシニアパウダーは、ガルシニア乾燥果皮から抽出したエキスを乾燥粉末化したもので、ヒドロキシクエン酸(HCA)を大量に含んでいます。この成分がヒトの体重減少や血中脂質改善に有効であると報告されたことからダイエット用「健康食品」として利用されています。 |
研究結果の概要 |
今回の精巣への影響が報告された摂取量はヒトに換算すると1日摂取目安量の50倍に相当する量となります。動物実験の結果なので直接ヒトに同様の事象がおこるというわけではありませんが、有害事象の可能性が否定されたわけでもありません。 |
ガルシニア抽出物を含有する健康食品の摂取目安量 |
継続的に摂取する目安量は、HCAに換算し1日1人あたり0.5~1.5g程度です。ガルシニア含有健康食品のガルシニアパウダーにはHCAを約50~60%含有するとの表示がみられますが、全商品に記載があるわけではないので実際のHCA含有量は不明です。 |
対策 |
厚生労働省医薬局食品保健部より、関係団体に対して下記事項について通知が出されました。
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実際には、市販されているガルシニア含有の健康食品摂取目安量の範囲内で摂取しているならば、すぐに影響がでるとは考えにくいですが、加工食品などに添加されている場合もあり、意図せずに過剰摂取することも考えられるため、日常的にダイエット食品として摂取している人に対しては注意が必要です。